リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
「今の関係、つらくないの?」

「……最初から、これ以上の関係は望んでなかったので。つらくないです」

私は引き出しからカラーペンを取り出し、またポップ作りをするため机に向かった。

「菫ちゃんがそれでいいって言うなら、俺は何も言わないけどさ……」

作業をしながら先輩の話に耳を傾ける。


「……菫ちゃんのつらい顔見るのは、俺もつらいから」

手を止めて思わず隣の先輩を見た。

……あれ。先輩、こんなに優しかったっけ?


『……晴人はやめなよ。菫ちゃんがどんなに想っても、その恋は叶わないと思う』

『ただ、そばにいられるだけでいいって思ってしまうんです』

『最初はそれでいいと思っても、そういう気持ちは、徐々になくなっていくと思うな』

以前の会話を思い出した。私に言ったことは全部、私を思ってのことだったんだ。
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