リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
それでも変わらず、毎週やってくる火曜日は私の楽しみだった。

「この前菫ちゃんがおすすめしてくれた本、すごい面白かった」

「ほんとですか!よかった〜」

「うん。三日もしないうちに読み終わったよ」

「南先輩に読んでほしい本、まだまだありますよ!」

「ははっ、それは楽しみだな。じゃあ、また借りに行こうかな」

そう言って向けられた柔らかい笑顔に、私はドキっとしていた。

「ぜひぜひ。若者の読書離れが進んでるので、私、本を読んでくれる人が増えると嬉しいんです」

「そんなに深いところまで考えてたんだ。すごいなぁ、菫ちゃんは」

また、爽やかに笑った……


いつの間にか、南先輩も私も、制服のシャツが長袖から半袖になっていた。

その白いポロシャツが、色白で爽やかな見た目の南先輩に、とてもよく似合っていた。
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