リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
「わかりました。私にも手伝わせてください」

「暑いし、無理しなくていいよ。菫ちゃん学校遠いんでしょ?」

「ここまで育ててきた、花や野菜の成長を見届けたいんです」


——嘘じゃない。

……嘘じゃないけど、本当は、暑くても遠くても、ただ先輩に会いたいんだ。

「そう?ならいいけどさ。菫ちゃんが俺の好きな分野に興味持ってくれるのは、すごい嬉しいよ」

そう言って笑う先輩を横目で見た。
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