リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
「……綺麗な人、ですね」

「一つ上の幼なじみなんだ。今は大学生の彼氏がいてさ」

「幼なじみ……」

数ヶ月前に知り合った私なんかとは格が違う。

二人は昔からの知り合い。深い関係性があるんだ。

「そう。でも俺は、昔からただの年下の幼なじみとしか思われてない」

「……そう、なんですね」

気の利く言葉の一つや二つ、どうしてすぐに出てこないんだろう。

出てこないんじゃない、考えられないんだ。


だって私は、先輩を励ますことなんか考えられないくらいに、想像以上に落ち込んでいたから。

そのあとの会話の内容は、思い出せない。なんとなく、先輩の話に集中できなかった。


初めての感覚。南先輩への想いが日に日に強くなっていたのは、自分でも感じていた。

そして今日、片想いのつらさを初めて知った。
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