リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
期末テストが終わって、もうすぐ夏休みがやってくる。

「どうしたー?菫ちゃん」

水曜日の放課後、図書室で受付のテーブルに肘をついてうなだれていた私に、後から来た大友先輩が話しかけてきた。

「……ん、なんでもないです」

「なんでもないって感じじゃないけど」

私の顔を覗き込んで首をかしげた。


「大友先輩って、意外と鋭いですよね」

「意外っていうのは余計だけど。まあ、俺は菫ちゃんのことよく見てるからね」

「えっ、なんで私のこと見てるんです?」

「まあ、それは後々ね。ていうか、そんな怪訝な顔しないでよ」

「ふふっ、怪訝って、そんな顔してました?」

大友先輩が変なこと言い出すから、無意識のうちにそんな顔をしてしまっていたみたい。
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