リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
言えない想いも、見つめるだけで届けばいいのに。

届いてはいけない想いなのに、そんなふうにも思った。


「菫ちゃん、随分詳しくなったね。頼もしい後輩だ」

「南先輩に、弟子入りさせてください!」

「なんだよそれ。俺は別に、専門家でも何でもないんだから。ほんっと、菫ちゃんは面白いなぁ」

はははって笑う先輩を見て、割と本気で言ったんだけどなぁと思った。
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