リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
「南先輩。ナスも大葉もトマトも、形は悪かったですけど、キュウリもすごく美味しかったです」

夏休みも早いもので、最後の週になった。

先輩に会える夏休みも今日で最後。

「うん。俺も食べたけど美味しかった。去年のよりも上出来だったかもな。菫ちゃんのおかげだな」

南先輩は時々褒めてくれるけど、それは先輩が優しい先輩で、私が単純な後輩だからだ。


「南先輩って、ほんと気分の浮き沈みがないですよね」

前々から思っていたことを、この際だからと口に出した。
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