リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
「なんの話よ?菫ちゃんって、いつも唐突過ぎるんだよな」

ほらまた。そうやって、爽やかに笑うところも。

怒ったり泣いたり、笑い転げたことなんて、生きてきた中で一度もないんだろうな。なんて思えてしまうぐらい。

「だってこんなに暑いのに、南先輩はいっつも涼しそうにしてる。不思議です」

まるで、先輩の周りにはいつもそよ風が吹いてるみたいに。

「それは、褒め言葉として受け取っていいのかな?」

「もちろんです」

それを聞いて、先輩ははにかむように笑ってた。
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