リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
「逆に、菫ちゃんは色んな表情見せるから、見てて面白いけどな」

「えっ……、それってバカにしてません?」

つまり表情がコロコロ変わる、子どもみたいってことでしょ?

「してないよ」

「いいんです、自分でも自覚あるので……」

「違うって。……菫ちゃんはさ、基本的には笑ってるけど、ぼーっとしてるときもあるし、時々寂しそうな顔もする」

先輩って見てないようで、やっぱりよく見てる。タイプは全然違うけど、大友先輩みたいだ。


「だから時々……」

「……ん?」

先輩は考え込むように小さく呟いた。

「ほっとけなくなるんだよなぁ」



「……えっ?」

「あぁ、自分でもよくわかんないんだけどさ、こんなに慕ってくれる後輩って初めてだから、面倒見なきゃって思うんだよね」

「あぁ、……そうなんですね。嬉しいです。そう言ってもらえて」

なんだ、勘違いするようなこと言わないでよ。
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