リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
最初で最後のデート
「南先輩。今日で夏休みの活動、最後ですね」

自分で聞いたくせに、それに対しては何も言わずに話を変えた。

私ってほんと自分勝手だ。

「じゃあ、夏休みの間暑い中手伝ってくれたお礼に、これからどこか行こうか?」

それを聞いて、先輩の顔から目が離せなかった。


「……えっ?」

突然の提案に目をぱちくりさせて、これでもかというぐらいに驚いた。

「あ、嫌だったら全然…『もちろん行きます!嫌なわけないじゃないですか!』」

こんな機会、これから先ないかもしれない。行かない理由がないよ。
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