リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
「先輩、天気予報見てません?今日は午後から天気が崩れるらしいですよ」

先輩はそれを聞いて空を見上げた。

「あぁ、ほんとだ。さっきより雲が増えた気がする」

「先輩、傘持ってきてないんですか?」

「うん。天気予報見てなくてさ」

「じゃあ、パフェはパパッと食べて、早めに切り上げましょう?」

せっかくの機会だから、一分一秒でも長く一緒にいたい。

でも、先輩がびしょ濡れで帰って風邪を引いたら大変だ。

「ごめんね、気遣わせちゃって」

「全然!気にしないでください」

学校の最寄り駅のすぐ近くにある、レンガ調のアンティークな喫茶店に入った。
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