リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
そんなことを考えていたら、テーブルに置かれていた先輩のスマホが震えた。

先輩はスマホを手に取り画面を見て、驚いた顔をした。


「菫ちゃん、ちょっとごめん」

そう言って先輩は席を外し、入り口の方まで小走りで行ってしまった。


ふと窓の外を見ると、心なしか、さっきよりも雨が強くなった気がする。

しばらくして戻ってきた先輩は、どこか焦っているように見えた。
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