リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
たぶん、電話は実花さんからだったんだ。

私にも女の勘が備わっているみたい。


……いや、違う。女の勘なんかじゃない。

いつも冷静で優しい南先輩の感情を、こんなにも動かせるのは、実花さんくらいしかいないってことを私は知ってるから。

『遠くにいる好きな人がつらい思いをしていたら、すぐにでも飛んで行きますか?』

『そりゃあ、すぐに会いに行くよ。自分がどんな状況だったとしてもね』

今日の活動のときの会話を思い出していた。
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