リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
夏休み明けの活動日がやってきた。熱は下がったけれど、気分も下がったままだ。

「南先輩、おはようございます」

それでも私は、いつも通り明るく先輩に挨拶をした。

私の取り柄って、このくらいしかないからさ。


「菫ちゃん、この前はほんとごめん」

「大丈夫ですよ。全然気にしてませんから」


“ねぇ先輩。あの後、実花さんとはどうなったんですか?”

そんなこと、聞けるわけない。

……聞きたくないよ。


「グダグダになっちゃったから、埋め合わせは必ずする」

優しい先輩はそんな提案をしてくれた。


でも、好きなのは私ばっかりで、先輩にまた付き合ってもらうのは気が引ける。

「いいんです。私はいちごパフェを南先輩と食べることができて、すごく満足なんです」

「そう?ならいいけどさ、なんか申し訳なくて……」

先輩は困惑した様子だった。
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