リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
『どうして?何かあった?』

五分もしないうちに返信が来た。

『夏野菜の収穫ができたので、満足だなぁと思って。それに、夏が終わったタイミングでキリもいいので』

訳の分からない言い訳を並べて送信した。

なんだか、今日はすごく疲れている気がする。私はスマホの電源を切って、眠りについた。

翌朝になって電源を入れてみたけれど、先輩からのメッセージは届いていなかった。

先輩とのつながりは、本当に切れてしまったんだ。


……でも、これでいいんだ。

先輩と実花さんがいい感じなのに、もう邪魔はできない。

それに、先輩が笑って過ごせる日が近いうちに来るのだから、心から祝福できるように、気持ちを整理しないと。

南先輩。これからは、先輩の幸せだけを願って生きるよ。
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