リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
失恋の痛み
次の日の放課後。図書室で本棚の整理をした後、大友先輩と受付のテーブルで、ポップやポスター作りをしていた。

……でも、集中できない。

出会った頃から昨日までの南先輩との思い出が、次から次へと浮かんでくる。

ああ、なんでこんなにも鮮明に覚えてるんだ?


真夏でも爽やかな先輩の涼しげな表情。

ほとんど花の豆知識ばかりの会話の内容。

少し低くて心地の良い声のトーン。

その全部が、昨日のことのように思い出せる。
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