リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
「うん、菫ちゃんにね」

普段の会話のテンポと何も変わらず、さらっとそんなことを言われ、聞き逃しそうになった。   


「……大友先輩、何言って…『好きなんだ、菫ちゃんのことが。後輩としてじゃなくてね』」

先輩はいつものように、えくぼの可愛い笑顔を見せた。

この無邪気な笑顔に隠された“好き”に、私は全然気がつかなかった。


「あっごめん。もしかして、言うタイミング間違えた?」

つらい思いをしていたのは、大友先輩も同じだったんだ。

私とおんなじ気持ちでいたんだ。
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