リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
「とにかく、菫ちゃんがつらい思いをしてるときは、俺も同じくらいつらい」


「……大友先輩」

「だから、そんなときはそばにいるし、力になれることがあるならなんだってするよ」


「俺にできることって、それぐらいしかないからさ」

そう付け加えにっこり笑った先輩を見て、また目の前がぼやけて涙が溢れた。


「大友先輩……、優し過ぎますよ」

「俺のこと利用してもいいから、菫ちゃんはただ、笑ってて」

……先輩、そんなこと、できるわけないじゃないですか。

十分すぎるぐらい、いつも助けてもらってるんだから。ほら、今だってそう。
< 94 / 123 >

この作品をシェア

pagetop