リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
「……お似合いのカップルだな」

寒くなってきて窓を閉めたとき、亜希ちゃんが教室に入ってきた。

「おはよ、菫」

「亜希ちゃんおはよう」

「菫、なんか元気なくない?」

「えっ、そんなことないけど。元気元気!」

無理に笑うのが、いつしか癖になってた。強がってばかりで、つらいときにつらいと言えない。

そうやって、いつも自分の気持ちに蓋をしてきた。

だめだとわかっていても、自分の気持ちを素直に伝えていたら、私自身、何か変わっていたのかな。

大友先輩は、私の気持ちを知っててもちゃんと想いを伝えてくれた。


「……私、最初から諦めて逃げてただけじゃん」

「ん?菫、今なにか言った?」

小さく呟いた声は誰にも届かなかったけれど、自分の心に重くどんより響いた。

ただ逃げてばかりで弱い自分が、どうしようもなく嫌になった。
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