「LOST LOVE 小さくても良いから明かりを見つけたい」金沢OLのピュアな恋。
「ううん、違うの。厨房で話してくれたの」
「何と?」
「彼ね、ひとひらの恋という菓子に愛を込めて作っていると」
兄がそんな粋なこと言っているなんて、知らんかった。
「一生懸命に情熱を傾ける姿を見ていたら、胸がキュン」
「嘘ばっかり、だって、兄ちゃん特別にカッコいい訳じゃないよ」
「そんなことじゃないの。男と女の恋の始まりは不思議なもの」
「分かんないなあ……」