「LOST LOVE 小さくても良いから明かりを見つけたい」金沢OLのピュアな恋。
「ねぇーちゃんと、聞いてる」
兄は黙っている。
彼は兄ちゃんにどこかしら似ている。

顔? 違う。
身体つき? 違う。
匂いだろうか……

「お前には無理だろう」
「なんでよ」
「いざとなると、飛べない籠の小鳥やから」

「そんなこと、ないよ。わたしだって……」
確かに、これまでは北陸の金沢からまともに出たことがない。
何度か、彼と話したくて東京には行ったことあるだけ。
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