「LOST LOVE 小さくても良いから明かりを見つけたい」金沢OLのピュアな恋。
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─────兄への告白
「ゆき乃、本当に好きなのか」
「うん、好き。初めてなのこんな気持ち」
「そうか、じゃあ、可愛い妹よ、よ~く聞け」
世界で一番高いハワイのカラウパパの崖からでも飛べるか
羅針盤も使えないバミューダトライアングルに迷ってもか
羽が傷ついて、海に落ちそうになってもか
嵐がやってきて、先に進めなくなってもか
アメリカは、突然に大きな竜巻だってあるぞ
その言葉は、どんどん、大げさなものになってゆく。
わざと冗談めかして熱く語ってくれる気持ちは分かっていた。
可愛い妹と離れたくないのだ。
「お前が大好きな兄貴も傍にいてやれないんだよ」
その顔から、涙がこぼれていく。
「お兄ちゃん、ごめんなさい」