「LOST LOVE 小さくても良いから明かりを見つけたい」金沢OLのピュアな恋。
家業はひがし茶屋街で小さな和菓子屋をやっている。
店の名は『和菓子ひとひらの舞』
お洒落でしょう。
けれど、自慢にもならない古いつくりの店。
兄ちゃんが三代目。
兄の夢は紬さんと一緒にこの和菓子屋を大きくすること。
職人さんが作る昔ながらの季節の生菓子がウリになっていた。
「あっ、綺麗な星」
全部独り言になってしまう。
けれど……だからと言う訳ではないけど。
一雄以外、一番星なんてこの歳まで見つけることなんか夢だったよ。
初めて彼が好きになり、もうちょいで星が手に届く幻想は懐いた。
けど、幻のかげろうのように消えてしまう。
星が掴めないなら、心の中まで完全に消えてしまえば良いのに。
笑っちゃうでしょう。こんな女。