「LOST LOVE 小さくても良いから明かりを見つけたい」金沢OLのピュアな恋。

「ゆき乃、今夜飲みに行かない」
「早番でしょう」
わたしの職場は、早番と遅番の二交代制になっていた。

「どうせ、暇なんでしょう」
「まずは、居酒屋で金沢名物のおでんでキュウと熱燗」
そこらのおじさんと同じ。

「続いてカラオケであんたの十八番の『悲しみ本線日本海』」
「どうせ、歌うんでしょう」

オフタイムの定番コース。
それはそれで楽しいけれど、泣きたいのはこっちの方だよ。
どうせ、話題は昔ながらの初恋と破れちゃった恋バナのボヤキ。
この辺の行き付けの居酒屋で声をかけてくるのは酔いどれのおじさんばかり。
若い男との出会いなんてありゃしない。

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