「LOST LOVE 小さくても良いから明かりを見つけたい」金沢OLのピュアな恋。
母さんは夜遅くなっても起きている。
そんな娘の姿を心配げに思い、黙ったまま見守ってくれた。
父親は朝早くからお菓子の仕込みで早く寝ちゃうしね。
見つからなくて正解だったけど。
たまに、父と顔を合わせるとこんな風に言われた。
「ゆき乃、いつまでも俺の傍にいていいんだよ」
けれど、そんな日々が続いていたが……
今朝出勤前にとうとう母の堪忍袋が切れちゃったみたい。
きっかけは小学校の幼馴染みの結婚だった。
「ゆき乃、良子さん結婚するってお母さん言っていたよ」
「そうなんだ。おめでとう、良いことじゃない」
他人事のように返事をしていた。
「金沢みたいな昔の街は嫁ぐの、皆、早いねぇ」
突然に変なプレッシャーをかけられてしまう。
「母さんたら……」