「LOST LOVE 小さくても良いから明かりを見つけたい」金沢OLのピュアな恋。
「どんな人?」
「可もなく不可もなく 普通なひと。旦那にするには一番だよ」
「母さん、いくらなんでも、そんないい方するもんじゃないよ」
「名前は遠藤政孝さんで小学校の先生だって」
「えっ、お兄ちゃんと同じ名前なの」
母はその言葉に頷いている。
「不思議だろう。字は違うけど。本当に奇遇やな」
「何歳ぐらいのひと?」
「もう直ぐ三十歳になるところ」
「兄貴よりもひとつ、ふたつ上」
わたし、指を折っていた。
「見た目は普通、ちょっとだけ、可愛いけど」
自分が勧めといて、母親は変なこと言いだす。
「この歳まで独身だなんて何かあるのだろうか」
「ひょっとしたら、訳ありの桃だったりして」