春夏秋冬《きせつ》の短編集
「あのっ…」
人見知りで口下手なくせに、私はその人に思わず話しかける。
彼は私に気づいたのかこちらを向いた。
「が、頑張って…頑張って下さい…!!私も、その…頑張るから…あの……」
私は無意識に胸の前で拳を握ったままそう言った。
もう、何を言いたいのか分からなくなる。こんなことなら話しかけなければ良かった…迷惑だったかもしれないのに…
それでもその人は、少しだけフワリと表情を崩してくれた。
私の言葉が聞こえていたのかはわからないけれど、彼は言う。
『お主も、進め。おのれを信じて。』
私には彼の言葉が聞こえる。だからしっかりと頷いた。
「はい、頑張ります…!」
彼はフッと笑うと、また北風と、今度は雪をも辺りに巻き起こして消えた。
あの人はきっと冬を導く人。今からあの人は何かと戦うんだ。
私は今、何かを目指してこうして毎日を過ごしているだろうか?
やりたいことをやっていても、どこか無気力になっているかもしれない。
もう一度見つめてみよう、自分のしていること。
それでどこかおかしかったら、また一生懸命考えてみたらいい。
そうしたらきっと私は、戦いに挑むあの彼を思い出す。
北風に強い決意を寄せる、あの彼を。
人見知りで口下手なくせに、私はその人に思わず話しかける。
彼は私に気づいたのかこちらを向いた。
「が、頑張って…頑張って下さい…!!私も、その…頑張るから…あの……」
私は無意識に胸の前で拳を握ったままそう言った。
もう、何を言いたいのか分からなくなる。こんなことなら話しかけなければ良かった…迷惑だったかもしれないのに…
それでもその人は、少しだけフワリと表情を崩してくれた。
私の言葉が聞こえていたのかはわからないけれど、彼は言う。
『お主も、進め。おのれを信じて。』
私には彼の言葉が聞こえる。だからしっかりと頷いた。
「はい、頑張ります…!」
彼はフッと笑うと、また北風と、今度は雪をも辺りに巻き起こして消えた。
あの人はきっと冬を導く人。今からあの人は何かと戦うんだ。
私は今、何かを目指してこうして毎日を過ごしているだろうか?
やりたいことをやっていても、どこか無気力になっているかもしれない。
もう一度見つめてみよう、自分のしていること。
それでどこかおかしかったら、また一生懸命考えてみたらいい。
そうしたらきっと私は、戦いに挑むあの彼を思い出す。
北風に強い決意を寄せる、あの彼を。