春夏秋冬《きせつ》の短編集
夏の日の思い出
暑い日が続く。
ほんの数日前は夜もまだうっすら寒い気がしていたのに、今は夜も暑く、あまり眠れない。
世間はもうすぐ夏休みなんだろうが、俺はそんなわけにいかない。
明日も昼前から仕事だ。
眠る前に風呂に入ったはずなのに、パジャマの代わりのTシャツとハーパンが張り付いていて、だいぶ汗ばんでいる。
「…ダメだ、シャワーでも浴びるか。あと、お茶を……」
一人つぶやく。
俺はシャワーで汗だけ流し、麦茶を飲んで一息ついた。
世間の夏休みが始まれば、次は夏祭り。
市で毎年開催する、駅前に集まる祭りは大掛かりだ。近くの飲食店で働いている俺も、もちろん前日、当日は夜店の手伝いになる。
蝉の鳴き声も聞こえ始めたこの季節、心が浮き足立つのも分かる気がする。
今ではいい大人になった俺にだって、そんな時期はあった。
夏休みに稼いだバイト代で、好きになった子をなんとか誘って夏祭りに行って、屋台で女の子に奢って定番モノを食べ、神輿や花火を見て回る…
「…全く、一体いつの話だ…アイツはもう……もうなんとかして寝るか。」
くだらない、本当にたった一人の部屋での戯言。
俺にそんな暇はない。
生活をするためにしているだけの仕事に、明日も行かなければならないのだから。
ほんの数日前は夜もまだうっすら寒い気がしていたのに、今は夜も暑く、あまり眠れない。
世間はもうすぐ夏休みなんだろうが、俺はそんなわけにいかない。
明日も昼前から仕事だ。
眠る前に風呂に入ったはずなのに、パジャマの代わりのTシャツとハーパンが張り付いていて、だいぶ汗ばんでいる。
「…ダメだ、シャワーでも浴びるか。あと、お茶を……」
一人つぶやく。
俺はシャワーで汗だけ流し、麦茶を飲んで一息ついた。
世間の夏休みが始まれば、次は夏祭り。
市で毎年開催する、駅前に集まる祭りは大掛かりだ。近くの飲食店で働いている俺も、もちろん前日、当日は夜店の手伝いになる。
蝉の鳴き声も聞こえ始めたこの季節、心が浮き足立つのも分かる気がする。
今ではいい大人になった俺にだって、そんな時期はあった。
夏休みに稼いだバイト代で、好きになった子をなんとか誘って夏祭りに行って、屋台で女の子に奢って定番モノを食べ、神輿や花火を見て回る…
「…全く、一体いつの話だ…アイツはもう……もうなんとかして寝るか。」
くだらない、本当にたった一人の部屋での戯言。
俺にそんな暇はない。
生活をするためにしているだけの仕事に、明日も行かなければならないのだから。