君のこと、釣ってもいいですか?
「熱でもあんのか?」

そう言って詩くんは

私のおでこに手を当てた。

恥ずかしい。

まるで子供みたい。

「だ、大丈夫です!

失礼します!」

私は慌ててその場から逃げた。

その日は詩くんから

逃げるのに必死だった。

過去がバレるのも、

この気持ちがバレるのも

怖かった。
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