君のこと、釣ってもいいですか?
結珠くんは詩くんの

服の襟を引っ張り、

自分に引き寄せた。

「僕が笑咲ちゃんをもらう。

だから詩はもう関わんな。」

いつもより真面目な表情の

結珠くん。

それは一体、

どういう意味なんだろう。

「行こ。笑咲ちゃん。」

優しい手に私は

引かれてその場を立ち去った。

詩くんが立ち尽くしていたのが

少し心残りだった。
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