SWEETHOLIC《2》~社長と秘書の恋の始まりは社長室から~(完)
「あの…社長」

私は先延ばしにすれば、余計に言い辛くなると思い、デスクに歩み寄った。
「早波さん、コーヒーを頼む」

私が退職の話をしようとした刹那、社長からコーヒーの催促を受けた。

言葉を喉の奥に押し込んで、「承知しました」と言って給湯室に行った。

会長からは私の口から伝えてくれと言われたが、気が引けた。

コーヒーを社長のマイカップに淹れ、戻ると社長が電話で誰かと話していた。

相手は会長のよう。

彼は静かに受話器を戻した。

社長の顔色は変わっていた。

「社長?」

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