SWEETHOLIC《2》~社長と秘書の恋の始まりは社長室から~(完)
「久しぶり…藤堂」

「吉良!?」

航さんを呼んだのは長身で彫りの深い顔立ちの青い目をした男性。

「どうして!?吉良…此処に居るんだ?」

「ドイツで仕事をしていたんだ…ウィーンにはちょっと観光だてらに立ち寄っただけさ」

私達のテーブルに割り込み、航さんを懐かしそうに見つめた。

「・・・隣の女性は?」

「あ…俺の妻の葉月だ…」

「妻?藤堂…結婚したのか?へぇー…」

「ウィーンにはハネムーンで来ている…」

「ハネムーンか…俺はお邪魔虫かな?」

「航さん、紹介してください…」

「俺は吉良恭介(キラキョウスケ)」

吉良恭介・・・

その名前には聞き覚えがあるようだけど、何処で訊いたかは思い出せない。

「『ジーザス』で一緒だった同僚だ。で、今でも『マーケティング部』か?」

「いや…今度日本で又仕事をするんだ…」

「日本か…」

「『ジーザス』ジャパンの取締役に就任する…また日本で会おう。藤堂」

「!!?吉良・・・」

「爺様の希望だ…爺様は将来的には俺に『ジーザス』を継がせたいようだ」

「!?」

「じゃあな」
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