SWEETHOLIC《2》~社長と秘書の恋の始まりは社長室から~(完)
秘書の初恋
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私の父親は外交官だった。
オーストリア大使館の赴任が決まり、私は母と共に父について行った。
私がまだ五歳の頃の話。
オーストリア大使館はウィーンの閑静な住宅街にあり、高い鉄柵に囲まれた白亜の石造りの建物。
私達家族は大使館近くの庭付きの一戸建てに住んでいた。
ウィーンに来て二度目の夏が来た頃。
「紹介する…俺の息子の恭介」
父の高校時代の友人でアメリカの大学の医師一家が我が家に訪れた。
名前は確か吉良さん一家。
「吉良恭介です」
彼は私よりも四歳年上の九歳。青い目をした王子様のような上品な雰囲気のある男の子だった。
「はじめまして・・・くぼでらはづきです。ごさいです」
「五歳か…葉月ちゃんか…可愛い名前だな…」
「恭介…パパとママは久保寺さん達とお話してるから…葉月ちゃんと遊んであげなさい」
「分かりました。ダディ、マミィ。行こう…葉月ちゃん」
「うん」
私の父親は外交官だった。
オーストリア大使館の赴任が決まり、私は母と共に父について行った。
私がまだ五歳の頃の話。
オーストリア大使館はウィーンの閑静な住宅街にあり、高い鉄柵に囲まれた白亜の石造りの建物。
私達家族は大使館近くの庭付きの一戸建てに住んでいた。
ウィーンに来て二度目の夏が来た頃。
「紹介する…俺の息子の恭介」
父の高校時代の友人でアメリカの大学の医師一家が我が家に訪れた。
名前は確か吉良さん一家。
「吉良恭介です」
彼は私よりも四歳年上の九歳。青い目をした王子様のような上品な雰囲気のある男の子だった。
「はじめまして・・・くぼでらはづきです。ごさいです」
「五歳か…葉月ちゃんか…可愛い名前だな…」
「恭介…パパとママは久保寺さん達とお話してるから…葉月ちゃんと遊んであげなさい」
「分かりました。ダディ、マミィ。行こう…葉月ちゃん」
「うん」