SWEETHOLIC《2》~社長と秘書の恋の始まりは社長室から~(完)
「葉月は俺との結婚が決まった時、仕事を辞めたんだ」
「そうなの?じゃ藤堂が居ない間は…?一人?」
「あ、はい…まぁ―・・・」
「一人は大丈夫?葉月さん…あの時のテロのコト、思い出さない?」
「あ・・・」
吉良さんの方が航さんよりも私のコトを理解していた。
彼もまたあの時のテロの現場に居たから・・・
銃の乱射の音や銃で撃たれ、呻く人達の声を訊いている。
「仕事はさせてあげた方がいいよ…その方が気も紛れる…俺がいい会社紹介してあげるよ…」
「吉良お前の厚意は有難いけど…葉月は俺の秘書として復帰させるから…遠慮しとく」
「そっか…でも・・・無理に思い出せるのはダメだぞ…藤堂」
「分かってる…」
吉良さんが絡むと航さんの声が感情的になっていた。
クールな社長しか記憶にないから…そうやって感情を表に出す彼が新鮮に映った。