SWEETHOLIC《2》~社長と秘書の恋の始まりは社長室から~(完)
「落ち着こう。落ち着こう…と、ともかく冷静になってくれ」
私は至って冷静に対応している。
冷静になっていないのは社長の方だと心の中で呟く。

社長はまだ一口も飲んでいないカップのコーヒーを倒して、資料を濡らしてしまった。

「急いで、布巾持ってきますね…」

冷静さを失った社長はパニックを起こしていた。

「すまない」

社長の慌てふためいた態度に首を傾げながら給湯室に駆け込んで、布巾を手にしてデスクに戻った。

社長はティッシュペーパーでコーヒー色に染まった資料を拭いていた。

「布巾、持ってきました。社長」

「ありがとう」

私が社長と交代して、遊佐課長から貰った資料を布巾で拭いた。
社長はその様子を見て、嘆息する。

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