SWEETHOLIC《2》~社長と秘書の恋の始まりは社長室から~(完)
突然、背後から誰かにカラダを掴まれた。
振り向くと恭介君だった。
「シーッ」
彼は口許に人差し指を立てた。
彼と私は階段下の物置に身を潜めた。
階段を駆け上がる足音。
その足音は一つじゃなかった。
物置の中に身を潜めた私達はその足音の主たちが家から出て行くのを待つしかなかった。
「大丈夫だ・・・君のコトは俺が守ってあげるよ」
恭介君は自分だって怖かったのに違いない。
でも、彼は私の為に必死に自分を奮い立たせて、ギュッと抱き締めてくれた。
言え知れない恐怖の中。
幼い私は彼の温もりに縋った。