SWEETHOLIC《2》~社長と秘書の恋の始まりは社長室から~(完)
帰り際のタクシーの中。対向車のライトが車内に時折、射し込んで来る。

「・・・私は記憶を戻さない方が良かったのかな?だって…記憶が戻らなければ…吉良さんが謝るコトもなかったはず…」

「・・・でも、ずっと吉良は苦しんでいたかもしれないぞ…葉月が記憶を戻したコトで、葉月に真実を伝えるコトができたし、謝罪だってできた。寧ろ、よかったと思うぞ」

「そう思いますか?」

「あぁ」

「・・・でも、吉良は葉月達以外にも色々と断ち切って来た人間関係がありそうだな…」


「・・・」

航さんはそっと私の手を握りしめる。

「俺達はいつまでも吉良の大切な友人でありたいな…」

「航さん?あ…はい…」

「でも・・・深入りはダメだからな…あくまで友人だぞ。葉月」

「はい…」

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