SWEETHOLIC《2》~社長と秘書の恋の始まりは社長室から~(完)
休憩用の椅子に座らせて、奏弥君にプリンを食べさせた。
「男の子ってもっと活発なのかと思ったけど…意外と大人しいのね…」

「人見知りしてんだろ?」

白石社長は私達に奏弥君を任せて、自分は何処かに行ってしまった。
「俺、この子のパパ、知らないのに…どうする気なんだろうな…そもそも何で…お兄ちゃんは居るのに…パパやママが居ないんだ?問題だよな…」

「・・・パパ」

白石社長がパパを連れて戻って来た。

「奏弥…悪かったな…」

「パーティーに来ていた妊婦さんが急に気分が悪いと言い出して、診ていたらしい」

「そうだったのか…」

「全く…京弥のヤツ…ちゃんと見てくれと頼んだのに…本当に申し訳御座いません…」

「いえ・・・大人しくしてましたよ…」

「あ…紹介遅れました…『東亜医科大付属病院』産婦人科医の槇村光(マキムラヒカル)です。本当に息子の奏弥がお世話になりました」

「俺は『藤堂コーポレーション』の取締役を務めています藤堂航…」

「妻の葉月です」

「『藤堂コーポレーション』って…あ…遊佐さんの・・・遊佐さんの赤ちゃん、取り上げたの俺なんです…」

「遊佐の…へぇー…」

「じゃ俺はこれで…白石社長もありがとう御座いました」

槇村先生は奏弥君を連れて行ってしまった。

「・・・シングルファザーで二人の子供を育てるのも楽じゃないな…」

「槇村先生の奥さんは?」

「・・・奏弥君産んで直ぐに…急死したらしいよ…」

「・・・じゃ奏弥君はママを知らないんだ…」

「まぁ~そうなるな…」



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