SWEETHOLIC《2》~社長と秘書の恋の始まりは社長室から~(完)
エピローグ*秘書の出産
********

それから…何事もなく私のお腹の中で赤ちゃんはスクスクと育っていった。

「もうすぐだな…」

「はい」

私は航さんと共に実家を訪問した。

お義父さんとお義母さんも私を実の娘のように可愛がってくれた。


未だに航さんと過ごした新婚生活の記憶はないけど、彼は社長としてではなく、夫として私を大切にしてくれた。

臨月に入り、出産予定日の三日前に産気づいた。

陣痛で苦しむ私のそばに航さんは付き添う。

「大丈夫か?葉月。あ…喉乾いていないか?」

「大丈夫…今は…話し掛けないで」
「ゴメン…」

陣痛にも波があった。
その波が来ていた最中、航さんに話し掛けてきた。

「あ…腰摩ろうか?」

「ありがとう…」

彼は私の腰を優しく摩ってくれた。

「なんだか未だに変な気分…」

「えっ?」

陣痛の波も収まり、話をするゆとりが生まれた。

< 152 / 160 >

この作品をシェア

pagetop