SWEETHOLIC《2》~社長と秘書の恋の始まりは社長室から~(完)
社長の執着
「俺は君の退職には反対だ。俺の秘書は君以外に考えられない。早波さん、考え直してくれ!!」

私以外に居ないって…
その甘いテノールボイスで切羽詰まったように言われ、一瞬ときめいた。
取りようによっては恋人の甘い囁きにも聞こえる。
でも、社長は秘書として私のコトを必要としているだけ。
「秘書課には幾らでも私の代わりは居ます。社長が少し我慢をすれば、直ぐに慣れ、気を揉まなくても済む話だと思います…」

私はそう切り返す。

「俺は絶対に君以外の秘書は受け付けない。会議に行く…君の退職は野上さんに言って、保留にするぞ!!」
社長は断固として私の退職を阻止する心づもりだ。

好意を抱いているワケじゃないのに、何故私にあそこまで執着する。
分からない。
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