SWEETHOLIC《2》~社長と秘書の恋の始まりは社長室から~(完)
「早波さんって仕事中笑っていたか?」

俺は書類の逆さまを直して、もう一度目を通しながら、彼女に話し掛けた。

彼女はノートパソコンで文書作成。
「いえ、余り…」
「だろうな…俺は余り君の笑顔を見た経験がないから…」

俺と早波さんはこうして三年。
社長室という空間で同じ空気を吸いながら、仕事をこなして来た。


「社長って本当に極端ですね…」

「そうだな…」

今夜のディナーで彼女と何を話そうか?

全面硝子の向こうの空はまだ陽が高い。

夜が待ち遠しい。

「社長。そろそろ出ないと『帝和商事』の伊集院社長とのアポに遅れますよ」

「えっ!?あ…」





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