SWEETHOLIC《2》~社長と秘書の恋の始まりは社長室から~(完)
社長の視線
オフィス街には夜の帳が下りた。
社長も社に戻って来て、残務処理に追われる。

私もデスクで社長の仕事が終わるのを待ちながら、明日のスケジュールの確認をしていた。

「頃合いの時間だな。早波さんはどうだ?」

「私は既に業務を終えています」

「そうか…」

社長が立ち上がり、プレジデントデスクの脇にあるポールに掛けていた上着を手に取り、勢いよくベストの上から羽織って、帰り支度を始める。
長い両腕、広い背中。
長身で均整の取れた彼のスタイルに見惚れてしまった。
私も社長の支度と同じタイミングでスーツの上にベージュのトレンチコートを羽織って、バックを手にした。

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