SWEETHOLIC《2》~社長と秘書の恋の始まりは社長室から~(完)
「行き先は『ダイヤモンドホテル銀座』とお聞きしましたが…今夜は会食ですか?」
赤信号で車が停止する最中、上沼さんが社長に行く先の再確認をした。

「いや違う…デートだ」

「デ、デート!!?」
上沼さんの低い声が裏返った。

「そんなにおかしいか?上沼さん」

「いえ、お坊ちゃまもようやく早波さんの良さに気づいたんですね…」

「俺はずっと彼女の良さに気づいていたぞ。彼女は秘書として非常に有能だ。語学も堪能だし。俺に対する気遣いも完璧だ」

「お坊ちゃま、お言葉を返すようですが…私は仕事上のコトではなく・・・」

「信号が青になったぞ…」

「申し訳ありません」

上沼さんは慌ててアクセルを踏みしめた。
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