SWEETHOLIC《2》~社長と秘書の恋の始まりは社長室から~(完)
白い柱とボルドー色の壁、吊り下がったシャンデリアの優しい光が大理石の丸テーブルを照らしていた。
高級感があり、落ち着いた雰囲気の中で私達はザッハトルテとメランジュ(ミルク入りコーヒー)をオーダーした。
待つ間も私は辺りを見渡して、感嘆する。
「まさか…ウィーンまで来てザッハトルテ食べるなんて思いもよらなかった」
「御堂海里のザッハトルテとはまた違った味なのかな?」
「ザッハトルテはどれも一緒だと思うけど…ザッハトルテよりも俺は葉月を食べたいな…」
「航さん!?」
「大丈夫…日本語だから…皆、意味分かってないよ…」