俺の好きにさせてください、お嬢様。




「アリサ、お前は早瀬さんのこと今はどう思ってる?」


「…どうって、」


「好きだったんだろ?お前も早瀬さんのこと」



冬の空を見上げて白い息を吐いていると、食いぎみに質問してきた燐。

前の逆パターンだった。



「……ええ、好きよ。今日も真冬くんに呼ばれて嬉しかったわ」



これくらい許されるでしょう?

前は私を泣かせてくれたんだから、私だって少しくらい仕返ししたって。



「あいつね、ただのクズだから」


「……そんなことないわ。昔から優しい人よ真冬くんは」


「いやいや、見る目ないねお前。…俺にしとけって」


「っ…!」



そんな言葉に顔を火照らせていると、ニッと悪戯に笑う男が隣にいた。



「っ~~~!!!」



最初から分かっていたってことだ。

私の強がりなんかお見通し、その上でからかってきていた。



「もうっ!ふざけないで…っ!」


「悪いね、好きな子はいじめたくなるタイプなんだよ俺」


「悪趣味よ…!!バカじゃないの…っ!」


「デートしよ、これから」


「きゃっ…!ちょっと燐…!」



ぐいっと強引に手を引かれた。


あれから燐とはこうして2人で会う頻度も益々多くなって、ファミレスに行ったり回転寿司に行ったり。

前はゲームセンターのプリクラというものを一緒に撮ってしまったり。



< 133 / 140 >

この作品をシェア

pagetop