俺の好きにさせてください、お嬢様。
「アリサ、お前は早瀬さんのこと今はどう思ってる?」
「…どうって、」
「好きだったんだろ?お前も早瀬さんのこと」
冬の空を見上げて白い息を吐いていると、食いぎみに質問してきた燐。
前の逆パターンだった。
「……ええ、好きよ。今日も真冬くんに呼ばれて嬉しかったわ」
これくらい許されるでしょう?
前は私を泣かせてくれたんだから、私だって少しくらい仕返ししたって。
「あいつね、ただのクズだから」
「……そんなことないわ。昔から優しい人よ真冬くんは」
「いやいや、見る目ないねお前。…俺にしとけって」
「っ…!」
そんな言葉に顔を火照らせていると、ニッと悪戯に笑う男が隣にいた。
「っ~~~!!!」
最初から分かっていたってことだ。
私の強がりなんかお見通し、その上でからかってきていた。
「もうっ!ふざけないで…っ!」
「悪いね、好きな子はいじめたくなるタイプなんだよ俺」
「悪趣味よ…!!バカじゃないの…っ!」
「デートしよ、これから」
「きゃっ…!ちょっと燐…!」
ぐいっと強引に手を引かれた。
あれから燐とはこうして2人で会う頻度も益々多くなって、ファミレスに行ったり回転寿司に行ったり。
前はゲームセンターのプリクラというものを一緒に撮ってしまったり。