俺の好きにさせてください、お嬢様。




甘く囁いてくる。

近づいた唇が、こわばるわたしのおでこに優しく重なった。



「っ、」



ちゅっと響いて、そのまま下へ降りてくる。

ほっぺにひとつ、またひとつ。



「…まだ慣れませんか?」


「な、慣れるわけないよ…!」


「ふっ、かわいいですね」


「…!!」



これは完全にハヤセのペースに巻き込まれてしまってる。

わたしのペースならば、得意になったおねだりでハヤセを上手く扱えるのに。


今はだめ…。

その熱を持った目だって、わたしを捕らえにきてる…。



「俺が一緒に入りたいのです、エマお嬢様。駄目…ですか?」



う~っ!!
そんな捨てられた子犬のような目で見る…?

ズルいよハヤセっ!

そんなのしたら動物に優しいわたしが断れるわけないもん…!!



「っ、だ、だめじゃないかも、しれない…」


「───いい子だ」


「んっ…!」



くいっと引き上げられた顎。

隙間なく重ねられた唇は、だんだんとろけさせるように激しくなってゆく。



「んんっ、ハヤセっ、あのねっ、」


「…なんでしょう」


「水着っ、着ていい…?」


「駄目に決まってんだろ」


「えっ」



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