俺の好きにさせてください、お嬢様。
アンティークなリボンタイをシュルシュルと外して、ベストまで脱いで。
白いワイシャツのボタンがひとつひとつ静かに外されてゆく。
「わっ、す、すご……、きれい!!」
「……ありがとうございます」
「なにこれっ!彫刻みたい…!」
肌が白いのは知っていたけど、こんなにも正面から見たことがなかった。
腹筋っていうのかな…とにかくすごいきれいなんですけども……。
「ハヤセってマッチョマンなの!?」
「……それはなんですか?」
「ムッキムキの人のこと!!」
「…そこまでゴリゴリではないでしょう。戦える筋肉が付いているだけですから」
確かにハヤセって去年、学校に不審者が出たときも焦らず怯えず余裕で懲らしめちゃってたから。
すごく強いんだろうなぁっていうのは想像できる。
「っ…!!」
そしてここで緊張が追いついてきました。
わたしって今、結構すごい場面に身を置いてない…?
だって上半身裸のイケメンエリートSランク執事が目の前にいるんだよ…?
「そ、それ……ズボンも脱いじゃうの…?」
「もちろんです」
「タオル巻こう!?それくらいしなきゃダメっ!」
「わかりました。タオルは巻きます」