俺の好きにさせてください、お嬢様。




それは今まででいちばん激しいキス。

唇だけじゃ物足りなかったのか耳を噛んで首筋に沿って、背中をつうと滑るように熱い手が触れてくる。



「ぁ…っ、だめだよハヤセ…っ、」


「あなたが悪い、俺は我慢していると言いました。確実に煽ったのはエマお嬢様だ、」



はあっと、それだって誰かに何かに追いかけられてるように苦しそうで。



「愛してる、大好きです、…ぜんぶ俺だけのものだ」


「んん…!はやっ、んぅ、ぁっ、」



耐えれない…っ。

こんなの耐えれないよハヤセ…!


彼は今、執事と何かの狭間で戦っているように揺れていて。



「───…ごめん、エマ。理性…ありますから、」


「…う、うん…っ」



思わずぎゅっとしがみついた。

少しだけ怖かった…けど、嫌じゃなかった。



「さっきの言葉は今のエマお嬢様には使用禁止です。
心の準備も想像もできないうちは絶対に言ってはいけません。…約束してください」


「うん…っ」



たぶんすごいことになっちゃうからだ…。
全然わからないけど、それだけはわかる。

それを少しでも教えられた今、本能が感知したものだから。



「…驚かせてしまってすみません」


「…ううん」



あれ…?

これってそもそも健全にお風呂に入るために服を脱いでただけだよ……ね…?

なんかもっとレベルが高い空気感に思うのは……気のせい?



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