俺の好きにさせてください、お嬢様。
お姉ちゃんと早乙女
「ごめんねお姉ちゃんお待たせっ!あっ!早乙女!!」
「久しぶりエマ。早瀬さんも」
とある日の土曜日。
そこは柊 アリサと早乙女 燐が来るには少しだけ似合わないお店の前。
待ち合わせた時間より早く来ていた2人、少し遅れてしまったわたしとハヤセ。
「エマ、またお寝坊さんなんでしょう?」
「ちっ、ちがうよ…!着ていく服を選んでたらねっ、遅れちゃった!」
「昨夜のロードショーを最後まで観てしまって寝るのが遅くなってしまったんです」
あーーーっ!!もうハヤセっ!
嘘も方便って言うんだよ!?
そんな何でもかんでも正直に生きればいいってわけじゃないのに…!!
「ははっ、エマは相変わらずだねぇ。アリサなんか楽しみすぎて朝の4時半に俺に電話───」
バチン───ッ!!
………え?
あのぅ、早乙女のほっぺた…凄まじい音で叩かれたんですけども。
「……痛すぎだろ。は?俺いま何かビンタされるようなこと言った?」
お姉ちゃんだ。
犯人はお姉ちゃんなのだ。
確かに早乙女はわたしのビンタより痛いって言ってたけど…。