俺の好きにさせてください、お嬢様。
「ほらエマ、もう泣かないの。お寿司いっぱい回ってるわ」
「…うん」
一般的な4人席にはわたしとハヤセが隣同士、お姉ちゃんと早乙女が向かい側に座った。
まぁそれはそうと……。
「モデルさん?アイドル?いやなんかオーラすごいよねあの人たち…」
「あの金髪男子の隣にいる女の子も可愛いしっ!お姫様みたい…」
うん、結局ね。
わかっておりましたよエマは。
お客さんたちの視線はわたしを抜かした3人に注目することなんてっっ!!
「ねぇこれって何?アリサ知ってる?テーブルに蛇口なんて見たことある?」
「きっと手を洗うところよ」
「あぁ、なるほどね」
いやいやいやっ!!
ちがーーう!!
そんなことしたら火傷しちゃうよ早乙女っ!!
「早乙女それは…っ!わっ!んむっ!!」
咄嗟に訂正しようとしたわたしの口に手を回して、なぜか言葉を止めてしまったのは……早瀬 真冬。
あのーー、ハヤセ…?
なにをしようとしてるの…?
早乙女に何をさせようとしてるの…?
「───あっっつっ!!はあ!?ふざけてんだろこれ!!!」
「アホだなお前。それはお茶を注ぐところなんだよ」
「……知ってるなら言えって。なに、俺に仕返しでもしてるつもり?なぁSランク」